研究会の3本柱


フレンドシップ・サポート・プログラム

「フレンドシップ・サポート・プログラム」について、早川和子先生のご著書「総合学習 問題解決能力を引き出すフレンドシップ・サポート・プログラム」には以下のように書かれています。

 

『アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの学校で「子どもたちが友達の相談に乗るシステム(ピア・ヘルピング)」と「複数の子どもの間の対立を対象とする仲裁システム(コンフリクト・マネジメント)」というプログラムが実践されている。それらの内容を応用し、臨床心理士の早川和子によって「フレンドシップ・サポート・プログラム」が日本に紹介された。

このプログラムでは、子ども達自身が問題解決に向けてどのように取り組んだらいいかを考え、適切な解決能力を高めることを目標にしている。そのために、様々な実践的プログラムを行い、子どもに相互信頼を頭だけでなく体でも実感してもらいたいと願っている。しかも一方が勝ち、他方が負けるという構図ではなく、双方が納得する結果に到達するための必要な考え方や適切な技法を組み込んでいるのが特徴である。』

 

フレンドシップ・サポート・プログラムには7つの内容がありますが、数多くのワークの中から早川先生が年間を通して学びやすい構成を考えてくださっています。主に小学生向けの内容で構成されていますが、中学生・高校生はもちろん、大人を対象にしても行うことができるプログラムです。

フレンドシップ・サポート・プログラムを学ぶことでスクールカウンセラーにとって必要な「授業をする力」「研修を行う力」を身に着け、早川先生の非常に豊富な授業経験を受け継いでいけるよう、この研究会の中心的な研修内容にしています。

 

この研修は、自分がファシリテーター役になることでしっかり身に着けることができます。積極的にファシリテーター役を経験してください。


ペーパークラフト

スクールカウンセラーのための研修会にペーパークラフトとは、意外に思われるかもしれません。

坂根がスクールカウンセラーになって16年目に、勤務校で「不登校生徒のための部活動を作ろう」という話が持ち上がりました。一緒に担当する養護教諭と話し合い、クラフト系の内容にしようということにはなったのですが、具体的に何をすればいいのかわからず、2人でいくつかの教室に通い検討を続け、とりあえず開始にこぎつけました。

こうして始まった「ハンドメイド部」ですが、想定外のことが起きました。ハサミがうまく使えない生徒が多かったのです。あれほど検討を重ねて決めた内容が、実は生徒には難しすぎたのです。

 

とても困っていた時に、偶然、船原さわこ先生考案の「3Dペーパーフラワー」に出会いました。

3Dペーパーフラワーは

  • 学校にある紙でできるので費用がかからない
  • ハサミをほとんど使わないので、不器用な生徒でも大丈夫
  • 見た目がとてもきれいで、周りの大人から褒めてもらえる

といいことづくめ、まさに学校向けのクラフトなのです。

このクラフトをきっかけに部活動で自信をつけ、教室復帰した生徒もいます。小学校での活用事例もたくさんあります。相談室での児童生徒とのちょっとした工作にも非常に便利です。私はこれを身に着けたおかげで、スクールカウンセラーとしての活動の幅が広がりました。

 

 

この研修では、3Dペーパーフラワーの様々なコース・作品の中から、学校向けのものを坂根がセレクトしてお伝えします。ぜひ「部活動に対応する力」を身に着けていただきたいと思います。

ちなみに、このホームページの背景画像に船原さわこ先生考案の3Dペーパーフラワー、グレイスペーパーフラワー、ジャイアントフラワー、ウォールデコフラワーの作品の写真を使用しています。

 

下の画像は2018年度、2019年度の研修に参加してくださった方々の作品の一部です。


 

こちらは、部活動での生徒たちの力作の一部です。



色彩心理応用医学

「色彩心理応用医学(Color Holistic Medicine)」は、芦屋こころとからだのクリニック院長で医学博士の春田博之先生が創設された統合医学の体系です。

色彩心理応用医学には様々な領域がありますが、当研究会では主に「こころの地図」について学びます。

春田先生のご著書「こころの地図~色調が教えてくれるこころの世界」をテキストに、こころの地図の「全員面接」での活用方法を学びます。東京都公立学校スクールカウンセラーにとって非常に大きな業務である全員面接に、こころの地図はとても役立ちます。

また、春田先生がスクールカウンセラー用に再編したオリジナルテキストを用いて、こころの地図を中心に色彩心理応用医学について学ぶこともできます。また色彩心理応用医学での発達障害のとらえ方や、今、話題のポリヴェーガル理論についても解説いたします。ぜひ、日頃のカウンセリングに色彩心理応用医学を活用していただきたいと思います。

 

以下は、春田先生による色彩心理応用医学のご紹介です。

 

『色の3原色RGB(赤、緑、青)はすべての色を表すことができる。生命のいわば3原色は気血水で、生命のすべてを表すことができる』という捉え方が可能になります。

この世界観を具体化したのがColor Holistic Medicine(CHM)です。

これにより、複雑な人体の生命現象を気血水の3要素でシンプルに捉えることができますので、忙しい診療の中においても多くの方の様々な訴えに対応していくことが可能になります。

この利点は、原因が判明していない時点でも対応策を考えていくことが可能だ、ということです。この考え方は、医療知識のない一般の方においても、それを理解していただければ、ご自身やご家族に起きている病状などを客観的に捉えることができるようになり、対応していくべき方向性を自ら見出すことも可能になってくると考えています。

また、忘れてはならないCHMの最大の特徴は、心のケアにとても有益だということです。色のトーンで人の心の状態を把握することができる「こころの地図」、カラーボトルセラピーの原理を応用し8色のガラス玉で人間関係や悩み事を解きほぐしていく「にじ玉セラピー」、これらは日常診療のカウンセリングにおいてとても役立っています。人の心に手が届く医療に近づくことができるのです。Color Holistic Medicineと命名している所以はここにあります。